秋の夜長に思いに耽る
今週のお題「プレゼントしたい本」
と言うことでみなさんこんにちは。まいなです。
記事にしたいなと思う本があり、偶然今週のお題がこれだったので活用させていただきたいと思います。
私がプレゼントしたいのは「ナラタージュ」です。
ファンならご存知、松本潤主演で映画化が決まっている作品の原作です。
私も正直原作を知ったのは潤くんの映画化がきっかけですので、本を元から知っていた訳では無いのですがついこの作品に出会えたことを自慢したくなってしまうくらいには魅力がいっぱいなのです。
そして、私だからこそこの作品に惹かれたのです。
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主人公の泉は高校時代いじめにあい、部活の顧問だった葉山に話を聞いてもらったり精神的な逃げ場を作ってもらっていた。決して泉はいじめに過剰なまでの反応を示すことは無かったが、苦痛を感じると葉山の元に行くことが多かった。
そして大学2年となり、普通の日々を過ごしていたある日、1本の電話があった。とても懐かしい声が耳元を包んだ。
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こうして始まっていくのですが、とにかく人間の心の動きがとても繊細に描かれています。私も高校時代精神的に苦しかった時期に恩師に助けられていたので、高校時代は泉と葉山の関係を夢見ていたことを思い出しました。
そして2人の周りの人々の心情、関係の物語もとてもリアルに描かれています。
きっとこういうことがつい昨日自分にも起きていた気がする。この前友人が同じような悩みを言っていた。こういう人がいた。
そう感じさせるリアルさがあります。
私はタイミングよく、実家に帰ることになっていたので新幹線の中で読みかけていた原作を最後まで読み切りました。
そして猛烈にあの頃の自分と恩師に会いたくなって、実家の部屋に保管していた高校時代のガラケーを取り出しました。ここには恩師と紡いだ秘密の(2人だけのものが欲しかった)メールのやり取りが残っていたはずだから。
バッテリーを入れ替えると、その携帯はつきました。
でもフォルダをいくら探しても私が送った文章しか残っていない。仕方ないので16,17,18歳の頃の自分が天邪鬼ながらにもがき、大人のフリをしていた文章を読み返しました。
こちらが恥ずかしくなってしまうほど中二病レベルで病んでいて、悩みは単純なはずなのに、自分を取りつくろうと婉曲的な表現を使って恩師へ思いを伝えていました。
ほかのフォルダも見たくなって仲の良かった友達とのやり取りなどが入った特別なフォルダを見ていたら、偶然伏せ字にしたフォルダがありました。でも私にはその意味がわかりました。
そしてそこを開くと、恩師からの返信が残っていたのです。
恩師からのメールはとても丁寧な言葉で、きっと慎重に、でも私を救おうと必死で書いた言葉が並んでいました。時には熱くキツイ言葉で励まされ、自分の甘さに気付かせてくれたり、そっと心の隙間を埋めるような優しい言葉をくれたり。
高校時代きっと私は恩師が好きだった。
そう改めて思いました。
ナラタージュでは泉は高校時代、卒業する時に告白をしています。でも私はそんなことできなかった。地元を離れることを決めていたし、そもそも彼は既婚者だったから。
でも、葉山先生も既婚者だった。そう考えると泉と葉山の想いの深さ、繋がりの深さ、惹かれ合う深さは相当なものだったと思いました。
死や人間くさいドロドロした感情も取り扱っているため、ぐいぐい引き込まれていったこの作品を、ぜひ皆さんにも味わってもらいたいです。
そして私はこの愛おしく切ない泉と葉山を松本潤と有村架純で具現化してくれる事を心から楽しみにしています。
どうか深いところまで再現してくれますように。
ここまで拙い文章を読んでくださりありがとうございました。